平成29年度クロスカントリー部第1回海外合宿(ドイツ)報告

8月20日から9月2日の日程でドイツのオーバーホフにて、高校生の男子3名女子1名、成年(大学生)の男子1名女子1名、コーチ2名の合計8名で合宿を行ってきました。
 ここを合宿地として選んだ最大の理由は、全長1800m弱の屋内スキー施設(DKBスキースポーツホール:以下スキーホール)があるからです。この施設は時間帯によっては一方向でしか周回できませんが、アスリート専用時間には約500mの区間をすれ違い走行できるので最長2300mのコースをとることができます。適度に起伏がとられており雪は人工雪で室内は-4℃を基本として管理されています。
 現地の10日間を4つのクールに分けて、それぞれのクールに目的を持って、スキーホールでの雪上練習を軸に、陸上でのトレーニングを織り交ぜて進めていきました。
 第1クールは現地の環境やシステムを理解するのに苦労しました。宿からスキーホールまでの2.5キロを初日は歩いて移動しましたが、その後はバスがあることに気づき循環バスでの移動にしました。ランニングコースも当初は何もわからなかったので宿から離れられませんでしたが、「Rennsteig」という歴史も深く全長約170kmの長距離ルート(尾根道)があることを知り、オーバーホフはちょうどその中ほどに位置しており、その道を基本に走ることにしました。ここは毎年約10万人のハイカーが移動することで知られ、私たちの練習中もたくさんのハイカーたちとすれ違い、気さくに挨拶を交わすなど現地の文化を感じることができました。このようにいろいろと調べたり気づいたりする中で、スキーホールは思いのほか寒く感じられ体への負担が大きいこともわかり、時差とも戦うのが第1クールでした。
 第2クールからはスキーホールに隣接するローラースキーコースでのトレーニングを盛り込み、雪上とローラーでどのように違いがあるのかを考え、ローラーで知らず知らずのうちについてしまっていた悪い癖を洗いだし、改善につなげるという項目に重点を置きました。オーバーホフのローラーコースは難易度が高く、日本のローラーコースとは全く次元が違いました。危険度も増すので転倒者が出ないかハラハラしましたが、少しずつ慣らしていき選手たちは終盤には制動なしで下ることができるようになり、とりわけ女子選手にはいい刺激になったと感じました。現地の12歳くらいまでの選手たちは易しいコースのみで練習していましたが、中学生より上になると難しいコースで回っていました。練習の強度は高くなくともコースというハードの面で鍛えられている。とても理想的だなと感じました。
 第3クールはトレーニング時間を増やし、スピードも上げたり、距離も伸ばしたりとオーバーホフの環境をフル活用してトレーニングを行いました。この頃までスイスとオーストリアのナショナルチーム、フランスのジュニアチーム、ドイツのサービスマン、ベラルーシの選手、チェコの選手、イギリスのパラチーム、などスキーホールは大変混雑していました。スイスチームにはソチオリンピックで2種目の金メダルを獲得したCOLOGNA Dario選手も含まれており、選手たちも私たちコーチ陣も彼に目が釘付けでした。Dario選手には迷惑であったかと思いますが、選手たちは後ろを滑ったり横目で見ながら真似てみたりと、大変貴重な経験ができいい影響をいただけたと思います。宿も一緒で気さくにサインに応じてくれる好青年でした。また、スキーホールで各国が取り組んでいる様子をみると、選手のトレーニングだけでなくドイツやスイスチームなどは新しいモデルのスキーでテストを繰り返し、スキーの性能をチェックしていました。昨今はワールドカップなど人工雪のレースが多く、このホールでスキーのデータをとることは大変理にかなっていると思います。私たちのチームには直接関係はないレベルの話ですが、今季のオリンピックに向けて戦いはすでにこういったところからも始まっているのだなと感じ、日本にはこういったことができる環境がないことにあらためて寂しさを感じました。そして、こういうハンデをくつがえすアイデアを出さなければいけないとも感じました。
 さて話を戻しまして、第4クールは総仕上げとして、陸トレなしでスキーにひたすら乗りました。この頃ちょうどスキーホールも利用者が減り、貸し切りのような中で自分たちのペースで行えたので非常に良かったです。スピード練習、タイムトライアル等を行い実戦の雰囲気も思いだし、現状から秋の陸トレと11月のスキー乗り始めにつなげられるような課題をみつけ合宿を終えました。
 なんとか合宿を滞りなく終えましたが、振り返ってみると幸運の連続であったと思います。最大の幸運は天候が安定していたことです。車を持たない私たちにとって雨は天敵です。循環バスでの移動ですので、バス停での待ち時間などで濡れてしまうと-4℃のスキーホールは冷凍庫のようなものですから、想像するだけで風邪を引いてしまいそうです。雨が降った日(土砂降り)が2度ほどありましたが、なぜか移動時には小雨になるか雨が上がりました。本当に奇跡的でした。
 最後に海外合宿を行って感じることは、トレーニング環境や施設を求めて行くのがメインではありますが、期間を通して高校生や大学生の選手たちはたくましくなっていくということです。日本という安住の地ではなく慣れない土地と聞き慣れない言葉、一つのミスで大問題になるかもしれない緊張感。そういったものが選手をたくましくしていくのだと思います。先シーズンのフィンランド合宿でもそう感じました。
 地元妙高でのはね馬国体でその成長の真価を発揮できるよう、今後も気を抜かずに指導していきたいと思います。今後とも応援のほどよろしくお願いいたします。

報告者 クロスカントリー部強化コーチ  宮澤豊彦

 

 

スキーホールでの練習風景 1
スキーホールでの練習風景 1


スキーホールでの練習風景 2
スキーホールでの練習風景 2


スイスチームの練習風景
スイスチームの練習風景
マスクをして、なにやら腿に器具をつけて滑っていました。


ローラーコースでの練習風景.
ローラーコースでの練習風景


「Rennsteig」でのポールトレーニング風景 1
「Rennsteig」でのポールトレーニング風景 1


「Rennsteig」でのポールトレーニング風景 2
「Rennsteig」でのポールトレーニング風景 2


集合写真.
集合写真

 

 

 

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